『香炉峰下～』問題の解答

青＝現代語訳・下小文字＝返り点・上小文字＝送り仮名・解説＝赤字

香炉峰下新^タニ卜_二^シ山居_一^ヲ草堂初^メテ成^リ、①偶題_二^ス東壁_一^ニ　　　　　

日高^ク睡^リ足^リテ②猶^ホ慵_レ^シ起^クルニ

小閣^ニ重_レ^ネテ衾^ヲ不_レ怕_レ^レ寒^ヲ

遺愛寺^ノ鐘^ハ欹_レ^テテ枕^ヲ聴^キ

香炉峰^ノ雪^ハ撥_レ^ゲテ簾^ヲ③□　^ル

匡廬^ハ④便^チ是^レ逃_レ^ルルノ名^ヲ地

司馬^ハ仍^ホ為_二^リ送_レ^ルノ老^ヲ官_一

心泰^ク身⑤寧^キハ是^レ帰^スル処

⑥故郷何^ゾ独^リ在_二^{ルノミナランヤ}長安_一^ニ

問題１．①偶、②猶^ホ、④便^チ、⑤寧^キハ、の読みを答えよ。

①たまたま

②な（ほ）

④すなわ（ち）・すなは（ち）

⑤やす（きは）

問題２．③□に入る漢字を次の中から選びなさい。

ア．見

イ．視

ウ．看

エ．瞥

韻＝寒・看・官・安

※七言詩は原則として第一句末と偶数句末で韻を踏む。この詩は第一句末で韻を踏んでいないので注意。

問題３．「⑥故郷何^ゾ独^リ在_二^{ルノミナランヤ}長安_一^ニ」の現代語訳を答えよ。

⑥故郷は長安だけであるというわけではない。

※「何^ゾ　～　^{（セ）ン（ヤ）}」＝反語、「何ぞ　～（せ）ん（や）」、「どうして　～（する）だろうか。（いや、～ない）」

※「独^リ　～^ノミ」＝限定、「ただ　～だけ」

問題４．この漢詩の対句になっている箇所をすべて答えよ。

（解答例：二句と三句）

第三句と第四句

第五句と第六句

対(つい)句(く)＝第三句と第四句・第五句と第六句が対句となっている。

※律詩は原則として第三句と第四句（頷聯(がんれん)）・第五句と第六句（頸聯(けいれん)）が必ず対句となる。

首聯(しゅれん)・頷聯(がんれん)・頸聯(けいれん)・尾(び)聯(れん)

問題５．この作品の作者を答えよ

答え：白(はく)居(きょ)易(い)

問題６．この作品の詩形を答えよ

答え：七(しち)言(ごん)律(りっ)詩(し)