更級日記『門出(あこがれ)』(1)問題1

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①東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人

②いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひ始めけることにか、

世の中に物語といふもののあ③なるを、④いかで見ばやと思ひつつ、⑤つれづれなる昼間、宵居などに、

姉・継母(ままはは)などやうの人々の、その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、

わが思ふままに、⑥そらにいかでかおぼえ語らむ

⑦いみじく心もとなきままに、等身に薬師仏を作りて、手洗ひなどして、⑧人間にみそかに入りつつ

「京にとく上げたまひて、物語の多く候ふ⑨なる、ある限り見せたまへ」と、

身を捨てて額をつき、祈り申すほどに、十三になる年、上ら⑩むとて、⑪九月三日門出して、いまたちといふ所に移る。

⑫年ごろ遊び慣れ⑬つる所を、あらはに⑭こぼち散らして、立ち騒ぎて、

日の入り際の、いと⑮すごく霧り渡りたるに、車に乗るとてうち見やりたれば、

人間には参りつつ、額をつき⑯し薬師仏の立ちたまへ⑰るを、見捨てたてまつる、悲しくて、人知れずうち⑱泣かれぬ


問題1.⑪九月、の漢字の読み方を答えよ。(注:「くがつ」ではない。)


問題2.⑤つれづれなり、⑫年ごろ、⑭こぼち散らす、⑮すごし、のここでの意味を答えよ。





問題3.③なる、⑨なる、⑩む、⑬つる、⑯し、⑰る、の助動詞の文法的意味として、「ア~ス」の記号から適当なものを一つ選んで答えよ。
ア.過去  イ.詠嘆  ウ.完了  エ.受身  オ.尊敬  カ.自発  キ.可能  ク.推量  ケ.意志  コ.婉曲  サ.推定  シ.伝聞  ス.存続







問題4.「①東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人」、という表現から読み取れる最も適切なものを「ア~エ」の記号の中から選んで答えよ。

ア.日記の作者が他人になりすまして書いている。
イ.作者が自身のことを謙遜し、客観的に書いている。
ウ.作者自身のことを指しているが、この部分は他人が書いている。
エ.出身地を明確にしないことで、作者が自尊心を保とうとしている。


問題5.「⑱泣かれぬ」、を例にならって品詞分解し、説明せよ。

例:「い は/れ/ず。」
いは=動詞・四段・未然形
れ=助動詞・受身・未然形
ず=助動詞・打消・終止形

品詞分解:「泣 か れ ぬ」






問題6.「②いかばかりかはあやしかりけむ」、「④いかで見ばや」、「⑥そらにいかでかおぼえ語らむ」、「⑦いみじく心もとなきままに」、「⑧人間にみそかに入りつつ」、の現代語訳を答えよ。


問題7.「一心不乱に」という意味を表している語句を抜き出して五字で答えよ。

答え:


問題8.更級日記の作者を答えよ。

作者:

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更級日記『門出・あこがれ』まとめ