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万葉集「熟田津(にきたつ)に船乗りせむと~」解説・品詞分解・現代語訳

「黒=原文」・「赤=解説」「青=現代語訳」
作者:額田王(ぬかたのおおきみ)

熟田津(にきたつ)に  船(ふな)乗りせむと  月待てば  潮もかなひぬ  今は漕ぎ出(い)でな


熟田津(にきたつ)=地名、愛知県にある港

せ==サ変動詞「す」の未然形。する

む=意志の助動詞「む」の終止形、接続は未然形。この「む」は、㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文末に来ると「㋜推量・㋑意志・㋕勧誘」のどれかである。あとは文脈判断。

待て=タ行四段動詞の已然形

ば=接続助詞、直前が已然形だから①原因・理由「~なので、~から」②偶然条件「~ところ・~と」③恒常条件「(~する)といつも」のどれかであるが、文脈判断をして②の意味でとる。ちなみに、直前が未然形ならば④仮定条件「もし~ならば」である。

かなひ=ハ行四段動詞「かなふ(叶ふ・適ふ)」の連用形。思い通りになる。ここでは、希望通り潮が満ちて満潮になり、船出に適した状態になったことを意味している。

ぬ=完了の助動詞「ぬ」の終止形、接続は連用形

漕ぎ出で=ダ行下二段動詞「漕ぎ出づ」の未然形

な=終助詞、意志・希望をあらわす

熟田津で、舟に乗ろうと月が出るのを待っていると、(月も出て)潮も満ち、船出に適した状態になった。さあ、漕ぎ出よう。


『万葉集』まとめ