用言 (古典文法:基礎~標準)

動詞の活用の種類の見分け方

カ行変格活用…「来(く)」「~来(例:出で来)」

サ行変格活用…「す」「~す(例:音す・御覧ず)」「おはす」

ナ行変格活用…「死ぬ」「往(去)ぬ」

ラ行変格活用…「あり」「居(を)り」「侍(はべ)り」「いまそかり・いますかり」

上一段活用…ひる・いる・きる・にる・みる・ゐる

「{ ひ・い・き・に・み・ゐ } る」と覚えると良い。

※試みる・ひきゐる・鑑みる、なども上一段

下一段活用…「蹴る」

 

上記のものは覚え、そのほかは「ず」をつけて区別する。 

飛ば(ず)、となれば四段活用

起き(ず)、となれば上二段活用

助け(ず)、となれば下二段活用

 

 

何行であるか誤りやすい動詞

誤りやすい動詞は数が限られているので覚えておいた方が良い。

  1. ア行下二段…「得(う)」「心得(こころう)」「所得(ところう)」
  2. ヤ行上二段…「老ゆ(おゆ)」「悔ゆ(くゆ)」「報ゆ(むくゆ)」
  3. ワ行下二段…「植う(うう)」「飢う(うう)」「据う(すう)」

 

 

活用の種類を二つ持つ動詞

①四段だとそのままの意味だが、下二段となると使役の意味を持つ。

(例)「立つ」…四段だと「立つ」だが、下二段だと「立たせる」となる。

そのほか入試に出やすいもの

「頼む」…四段だと意味は「あてにする」や「頼みに思う」だが、下二段だと「あてにさせる」や「頼みに思わせる」となる。

「被く」…四段だと意味は「褒美をいただく」だが、下二段だと、「褒美を与える」となる。

 

②「給ふ」は四段だと尊敬語だが、下二段となると謙譲語の意味となる。

 

その他、時代によって活用の種類が異なるものなどもあるが、あまり重要でない。

 

 

「す」「ゆ」などが語尾に付いていて意味が異なる動詞

「す」が付くと尊敬や使役の意味が加わる。

例:「見す」=サ行四段「御覧になる」、サ行下二「見せる」

  「聞こす」=サ行四段「お聞きになる」

 

「ゆ」が付くと受身・自発・可能の意味が加わる。

例:「見ゆ」=ヤ行下二「(人に)見られる」「(自然と)思われる、感じられる」「見ることができる」

 

他に、継続の意味を表す「ふ」もあるが、あまり出て来ない。

 

 

形容詞・形容動詞の語幹の用法

感動文

「あな」+「語幹」=「ああ、~ 。」

(例)「あな、う」=「ああ、つらい。」

「う」=形容詞「憂(う)し」の語幹「う」

   「あな、おろそか」=「ああ、いいかげんだ。」

「おろそか」=形容動詞「疎かなり」の語幹「疎か」

 

「を・み」構文

「A(を)Bみ」=「AがBなので」

※ Bは形容詞の語幹であり、(を)は省略されることもある。和歌で用いられることが多く、文字数を調整するために「を」を付けたり付けなかったりする。

(例)「瀬を早み」=「川の流れが速いので」

「早(はや)」=形容詞「早し」の語幹

           「山高み」=「山が高いので」

「高(たか)」=形容詞「高し」の語幹