万葉集「銀(しろがね)も金も玉も~」解説・品詞分解・現代語訳

「黒=原文」・「赤=解説」「青=現代語訳」
作者:山上憶良(やまのうえのおくら)

銀(しろがね)も  金(くがね)も玉も  何せむに  勝(まさ)れる宝  子にしかめやも


「何/せ/む/に」=反語、どうして~か。(いや、~ない。)

せ=サ変動詞「為(す)」の未然形、する

む=推量の助動詞「む」の連体形、接続は未然形

勝れ=サ行四段動詞「勝(まさ)る」の已然形。すぐれる、ひいでる

る=存続の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形

しか=カ行四段動詞「しく(及く)」の未然形、及ぶ、肩を並べる、匹敵する

め=推量の助動詞「む」の已然形、接続は未然形

やも=終助詞、用法は反語

銀も金も宝玉も、どうしてすぐれた宝だろうか。すぐれた宝は子供に及ぼうか。(いや、及びはしない。)


『万葉集』まとめ