青=現代語訳・下小文字=返り点・上小文字=送り仮名
五言絶句
床前看二ル月光一ヲ
床前(しょうぜん)月光を看(み)る
寝台の前に月光が差している。
疑フラクハ是レ地上ノ霜カト
疑(うたご)ふらくは是(こ)れ地上の霜かと
地表を霜が覆っているかと疑うほどだ。
挙レゲテハ頭ヲ望二ミ山月一ヲ
頭(こうべ)を挙げては山月(さんげつ)を望み
頭を上げて山ぎわにかかる月を見ていると、
低レレテハ頭ヲ思二ウ故郷一ヲ
頭を低(た)れては故郷を思ふ
だんだん頭が下を向いてきて、気が付くと故郷のことをしみじみ思っていた。
韻=光・霜・郷
※五言詩は通常ならば偶数句末のみ韻を踏むが、例外的に第一句末の「絶」でも韻を踏んでいる。
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