解答はこちら更級日記『物語(源氏の五十余巻)』(3)問題1の解答
①はしるはしるわづかに見つつ、心も得ず、②心もとなく思ふ源氏を、
③一の巻よりして、人も交じらず、几帳の内にうち臥して、引き出で④つつ見る心地、⑤后の位も何にかはせむ。
昼はひぐらし、夜は目の覚め⑥たる限り、灯を近くともして、これを見るよりほかのことなけれ⑦ば、
おのづからなどは、そらにおぼえ浮かぶを、いみじきことに思ふに、
夢に、いと清げなる僧の、黄なる地の⑧袈裟着たるが来て、「法華経五の巻を、とく習へ」と言ふと見れど、
人にも語らず、習は⑨むとも思ひかけず、物語のことをのみ心にしめて、
「⑩われはこのごろわろきぞかし。盛りになら⑪ば、⑫かたちも限りなくよく、髪もいみじく長くなり⑬な⑭む。
光の源氏の夕顔、宇治の大将の浮舟の女君のやうにこそあら⑮め。」
と思ひける心、⑯まづいとはかなくあさまし。
問題1.⑧袈裟、の漢字の読みを答えよ。
⑧
問題2.②心もとなし、⑫かたち、のここでの意味を答えよ。
②
⑫
問題3.接続助詞「④つつ」、の意味・用法として適当なものを次の記号から選びなさい。
ア.反復 イ.継続 ウ.並行 エ詠嘆
④
問題4.⑦と⑪の接続助詞「ば」の意味・用法として適当なものを次の記号から選びなさい。
ア.原因・理由 イ.偶然条件 ウ.恒常条件 エ.仮定条件
⑦
⑪
問題5.⑥たる、⑨む、⑬な、⑭む、⑮め、の助動詞の文法的意味として、「ア~サ」の記号から適当なものを一つ選んで答えよ。
ア.使役 イ.尊敬 ウ.存続 エ.完了 オ.強意 カ.推量 キ.意志 ク.勧誘 ケ.婉曲 コ.命令 サ.適当
⑥
⑨
⑬
⑭
⑮
問題6.「①はしるはしるわづかに見つつ、心も得ず」、「③一の巻よりして」、「⑤后の位も何にかはせむ」、「⑩われはこのごろわろきぞかし」、「⑯まづいとはかなくあさまし。」の現代語訳を答えよ。
①
③
⑤
⑩
⑯